お久しぶりのNewsletterですみません。改めてlabiの栗田です。
おそらく多くの方は以下の記事から登録して頂けたと思うので、思い出していただける嬉しいです。
今後も不定期にこれからも投稿していこうと思います。
はじめに
プロダクトマネージャーやUI/UXデザイナーにとって、ユーザーの行動を理解し、尚且つ行動を効果的に誘導することは、プロダクトの成功には不可欠です。
今回はオクタゴナル行動分析という行動分析方法とその実践方法について今回含めて2回に分けて詳しく解説していこうと思います。
オクタゴナル行動分析は中国で活用されている行動分析手法であり
ユーザーが行動する理由は主に8つの原動力によるものと分類しており
その8つをうまく当てはめることでユーザーの行動変容を促すように設計できるという分析手法、フレームワークです。
人間の根源的性質をもとに構成されており、この8つの性質をもとにプロダクト開発を進めることで、ユーザー満足度を高めるだけでなく、継続的な改善のための基盤を作ることができ、より高品質の製品とサービスを提供することができます。
元は中国ゲーム業界の言葉でしたがゲーム以外の業界にも応用でき効果検証が出てきたことで浸透し始めました。
Pinduoduoなどでも使われているフレームワークです。
オクタゴナル行動分析とは
オクタゴナル行動分析は、ユーザーの行動を8つの性質に分類しています。
1つ1つ説明していきます。
使命
ユーザーが自身の行動が大きな目的や使命に貢献していると感じる時に行動を行おうとする性質
挑戦
ユーザーが困難を克服したり目標を達成しようとする性質
創造
ユーザーが新しいアイデアを考えたり、試したりすることができ、尚且つその状況下で即時的なフィードバックが返ってくる状況で更に没頭しようとする性質
所有
物などに所有感を抱きたくなる、また所有した際に自然とその物の性能を向上させたくなる性質
社会/関係性
他者との関係や社会的な影響力によって行動が起きる性質
希少性
手に入りにくいものや制限された時間内でのみ得られるものに対して欲しいと感じる性質
好奇心
予測できないことや新しい発見への好奇心によって行動が起きる性質
損失回避
損失を避けたいという心理から行動が起きる性質
主にこの8つを組み合わせることによって高いエンゲージメントシステムを持ったサービスを構築することができます。
より理解を深めるために、以下にPinduoduo (以下PDD)で成功した友達交渉(紹介)プログラムの事例を紹介します。
PDDはシェア買いサービスであり、みんなで買うことで安くなるといった元祖シェア買いサービスの1つ。日本でいうカウシェ的なサービス
シンプルに思えますがオクタゴナル行動分析の8性質ほぼ全てを網羅している良い事例です。以下説明していきます。
1. 使命
「友達交渉」では、シェアされた側に対して、限られた時間内にタスクを完了するという目標が与えられると同時に、『友人や家族から課された!』といった社会的関係性から使命感が更に強まり行動への動機づけが強化されます。
2. 挑戦
最終的に商品を0円で手に入れるといった達成感を得るために挑戦しようといった行動への動機付けが強化されます。
3. 所有
プロダクトの写真や詳細ページにより、このプロダクトを所有できるという実感を得ます。この「これが手に入るんだ」感が行動への動機付けを強化します。
4. 希少性
「終了まであとXX時間」という表示は、今だけしか得られない、今行うしかないといったユーザーに緊張感を与え、積極的な行動を促すトリガーとなります。
5. 損失回避
普通に買うと1700円する。そういった通常の購入手段を避けたいとユーザーは感じ、損失回避行動を取りやすくなります。
6. 好奇心
最終的にどれだけの割引が得られるかは未知です。この未知の要素が、ユーザーの好奇心を刺激し、プログラムに参加する動機となります。
7. 社会/関係性
「友達交渉」は、ユーザー間の社会的ネットワークを巧妙に活用、設計されたアクティビティであり、社会的なネットワークがあるからこそ機能しています。
これらを活用することで、企業が割引商品を販売するよりも遥かにプログラムへの参加ハードルが下がり、友達同士でプログラムをこなすため楽しみにもなります。
PDDの「友達交渉」プログラムは、オクタゴナル行動分析の8つ(今回は7つ)の性質を巧妙に活用し、ユーザーの行動を促進する優れた例です。
プロダクト(プロジェクト)マネージャーやUI/UXデザイナーは、このような事例を参考にすることで、自身の製品やサービスにおいてユーザーエンゲージメントを高めたり効果が高いマーケ戦略を設計することが可能です。
僕自身、コンサルも行なっているためこういった設計のご相談があれば、カジュアルにお話ししましょう!
課題定義、行動分析から施策立案、PoC、効果検証、施策実行までご支援しています。
次回Newsletterについて
オクタゴナル行動分析とAARRRモデルを組み合わせて考える
今回はオクタゴナル行動分析手法のざっくりとした説明と「友達交渉」プログラムの例をあげました。
ただ、今回はオクタゴナル行動分析手法の観点から見たレビュー分析にすぎません。
次にAARRRモデルとオクタゴナル行動分析手法を組み合わせて考えることで、より実践に活かせる方法をNewsletterで書こうと思います。
ただ、今回も外に漏らしたくない内容だったので本来は有料にしたかったのですが次の方が遥かに情報が貴重なため有料にします。ぜひ楽しみにしていていてください。
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